プロフィール

日本語教師歴20年
フリーランス日本語教師の岩﨑 薫です

熊本生まれ、熊本育ち
日本中を出張で駆け回っている夫と、男の子2人の4人家族

英語が苦手だった私が、外国に興味をもつ

学生時代、英語が苦手でした。受験にしか使わない英語を学ぶことに意義を感じませんでした。初めて就職した東京エレクトロン九州株式会社でテキサス工場の社員とコミュニケーションを取るために、分厚い辞書を片手にフランス料理を食べに行ったことがあります。そこから、海外への興味がぐんと広がり、オーストラリアへ飛び立ちました。退職を反対する人が多かった中、当時の人事部長が、まだ若かった私に「世界を見てきなさい」と言ってくださったことを今でも忘れません。

海外の語学学校で得た外国語でコミュニケーションをとる楽しさ

オーストラリアで様々な国の人と知り合い、次はスイスへ旅立ちました。スイスでは、全ての大陸から人々が集まっていて、更に視野が広がりました。両国とも日本とは全く異なるカラーを持ち、魅力に溢れていました。英語とドイツ語を学び、外国語でコミュニケーションを取る楽しさを実感しました。

オーストラリアの英語学校で「Disgusting(うんざりする・最低)」を習ったとき、クラス全員で眉間に皺を寄せ、教室中をグルグルと回りながら、役者になった気分で「That’s disgusting!」を連呼しました。スイスのドイツ語学校では「Ich glaube an Geld!(私はお金を信じる)」と言うと、クラスメイト全員から叱られ、「Kaoru! Du solltest an Gott glauben!(薫!神を信じるべきよ!)」と言われました。それで、「Wo ist Gott?(神はどこにいるの?)」と質問すると、様々な国のクラスメイトたちが、一斉に天井を指さしたことがありました。

忘れられない授業が沢山あります。この2か国以外にも、旅行という手段で15か国以上の国々を巡り、気が付くと、日本語教師になるための勉強に励んでいました。生活に密着した語学を学ぶことに意義を感じていたからです。

2004年から日本語教師として様々なスタイルで活動

日本語教師になった2004年は、熊本ではまだまだ需要が少なく、学習者の大半が、ALTとして来日していた欧米人で、初級レベルはグループレッスン、中上級レベルはプライベートレッスンが主でした。また、授業料は学習者本人が支払っていました。唯一、長洲町にある造船会社にアジア系技能実習生が大勢いらして、その頃は、まだ、新米教師でしたが、8~10名ほどのクラスの教壇に立たせていただいていました。企業が外国人労働者のために日本語教育を提供するのは、その当時は珍しかったと思います。

時は経ち、現在、地方都市熊本にも沢山のアジア系外国人労働者が増え、様々な分野の企業が、彼らを受け入れられています。私自身は、長年培った日本語教師のノウハウと海外生活や旅行で培った豊富な経験が発揮できる!社会貢献できる時が来た!と感じています。私が全過程を修了した日本語教師養成講座では、全ての課で模擬実習があり、講師や同じ実習生から指摘を受け、改善し、スキルアップしました。

全課程修了後は、多くの実習生の中から非常勤教師(2名中の1人)に選ばれ、様々な国の学習者を受け持ちました。これまで教えた学習者は、ALT・技能実習生・在日米軍・インターナショナル幼稚園の先生・医療従事者・外国人労働者のご家族などがいらっしゃいます。

現在は企業内での日本語教育を中心に活動

教育機関での非常勤教師からフリーランスへと働き方を変え、現在は、外国人社員へ日本語教育の導入と提供をされている企業内での教育に携わることを主としています。限られた時間で効率よく学ぶことができるテキストと豊富な教材を使用し、学習者が、授業で学んだことを生活や仕事で応用できるよう、教師の私も日々精進しております。

また、海外での語学習得や海外生活の経験をもとに、日本語教育のみならず、学習者の小さな日々の不安要素も、できる限り、取り除けるよう、日本語の会話を通し、学習者の話を聴きいれることにも心がけています。学習者との会話の中では、ときに、彼らの純粋な心に、私自身も様々なことを学ばされながら、日本語を教えていることを実感します。学習者が話して来てくれる話題が増える度に信頼関係が結ばれていることを実感したりもします。

アジア圏の言葉は日本語しか話せません

それから、企業様から必ずご質問を受ける「相手国の言葉はわかるのですか?」という素朴なご意見ですが、これは断じて無用です。『日本語がゼロ、相手国の言葉がゼロ』であっても、教えられる技術を持ち合わせています。私はフィリピン語も、ミャンマー語も、ベトナム語も、インドネシア語も、アジアのどこの国の言葉もわかりません。アジアの言葉は、日本語しか話せないのです。

ゼロから日本語だけで日本語を学んだ学習者は、中上級レベルへ進んだ時に、母国語を介して考えることが少なく、難しい日本語のニュアンスも習得されています。言語習得は、赤ちゃんと同じ、母国語の学び方(聞く➜理解する➜使ってみる➜相手に理解してもらう➜自分の言葉になる)と同じ方法だと、忘れることもほとんどありませんから、英語圏の方へも日本語だけを使った授業を取り入れています。

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